一緒に、遊撃隊を作らないか。(11)

それから後が大変だった。退学届けを出してしまったら即寮を立ち去らないといけなかったし、何よりも周りの人の了解もえらないといけない。
スリッピーはフォックスと共に父、ベルツィーノの元を訪ねアカデミーを中退しスターフォックスを結成することを話した。ベルツィーノは始め、しかしまあ・・・とやや困惑気味だったが、何回も訪ね説得にかかっているうちに息子の本心が分かったのか了解を得ることができた。
「スリッピー、もしフォックス君に迷惑をかけることをしたら・・・父さんがお前の代わりにスターフォックスのメンバーになるからな。」
「父さん~。大丈夫だよ~。オイラだってやるときにはやるから。」
「ハハハ・・・、冗談だよ、冗談。」
笑いながらスリッピーの肩をたたくベルツィーノ。あまりにもバシバシ叩くのでスリッピーは痛いよ~と嘆いていた。そんな光景を見てフォックスはジェームズのことを思い出した。

親子とは、こういうものだな―と。

スリッピーはこんな感じで了解を得られたけどフォックスはなかなかそうは行かなかった。
フォックスが遊撃隊“スターフォックス”を結成すると話したら母親は猛反発をした。当然だろう。自分の息子を危険な道に進みたくないため宇宙アカデミーに入学するよう薦めたのに、自分の意志で辞めてしまう。そのことに母親はこれまで自分がしてきたことはなんだろうか、と谷間に落ちていく感じでフォックスの話を聞いていた・・・。フォックスはなるべく感情を出さないように努めたが徐々に母親との口論が激しくなってしまい、ついに母親の口から、勝手にすればいいじゃない!?という言葉が出てしまった。その日から母親に連絡をしても取れなかったのであった・・・。

フォックスの母親もそうだけど、もう1人なかなか了解を得られなかった人がいた。・・・ビルだ。
母親と話した次の日。フォックスはビルと久しぶりに昼食をとることができた。ビルはフォックスと昼食を食べるのが久しぶりなためか、ものすごく嬉しい表情だった。お昼ごはんを食べてからしばらくたったころ、フォックスが宇宙アカデミーを中退して父の跡を継いでスターフォックスを結成することを話した。それを聞いたときビルは抜け殻が抜けた感じでフォックスの話を聞いていた。
「ビル、悪い。俺は小さいときから宇宙を駆け巡る父さんにあこがれたんだ。それに父さんがいなくなった今、スターフォックスはこのままなくなってしまうのではないかと思ったとき・・・俺がやるしかない、と思った。だけど俺だけでは何もできないからスリッピーと、あとペッピーという人と共にスターフォックスを結成することに・・・」
スリッピーの名前を聞いたとき、ビルはプチン、と糸が切れた感じだった。
なんで俺じゃなくて―。そんな感じだった。
「フォックス。・・・・お前とは絶交してもいいか!?」
フォックスはビルの唐突な言葉にびっくりした。
「!!!ビル、それは違うよ!俺が宇宙アカデミーを辞めてもお前と友達でいることに変わりは・・・」
「そんなことは知るか~!!とにかく、とにかくもう・・・お前とは絶交だ―――」
うわあああああん~と泣きながら走って去ってしまったビル。フォックスは追いかけようとしたけど、立ち止まってしまった。

フォックスの裏切り者―。俺と一緒にコーネリア軍となって一緒に敵から守るのではなかったの!?
フォックスの裏切り者、フォックスの裏切り者・・・・。

泣きながら走ったビルに突然、ドンとぶつかってしまった。その反動でこけてしまった人がいた。スリッピーだ。
ビルはああ、すまない、とこけてしまったスリッピーの手助けした。
「スリッピー・・・だったよね!?フォックスを・・・よろしくな。」
ビルはそういい、よろよろしながら立ち去った。スリッピーはビルの言っている意味が分からず、その場で首をかしげた。
・・・彼がその意味を知ったのは数年後、カタリナの前線基地でフォックスとビルが久しぶりに出会ったときであった。
なんだかんだいって、何とか周りの了解を得て退学届けを出したフォックスとスリッピー。2人は寮を立ち去り宇宙アカデミーをあとにしペッピーの見舞いに行った。・・・・・その光景を窓際からさみしく見つめていた人物がいることを知らずに。






5年後―。アンドルフ軍がコーネリアに襲い掛かりコーネリア軍は壊滅状態に陥ってしまった。コーネリアが絶望に陥ったとき、一粒の光が見えた。雇われ遊撃隊“スターフォックス”、いや正確にいえば新生“スターフォックス”。フォックス・マクラウドをリーダーに凄腕のパイロットであるファルコ・ランパルディ、初代スターフォックスからのメンバーであるペッピー・ヘア、オペレーションであるナウス、そして・・・あの時一緒に遊撃隊を作らないか?とフォックスが誘ったスリッピー・トード。たった5人(うち1人?はロボット)であったが、アンドルフでも脅かすほどの戦力を持った彼らはペパー将軍の緊急の依頼によりカタリナに向かうことになった。
「スリッピー、今から発着するぞ。アーウィンの整備、大丈夫かい!?」
「大丈夫だよ、フォックス。オイラを何だと思っているんだ?」
「ケッ、あんまり調子に乗っているとまたあのロボットに吹き飛ばされるぞ。」
「なんだよ~ファルコ~。もうすんだ話じゃないか~。」
3人の話にペッピーが割り込んできた。
「こら、お前たち!!今すぐ準備せんかい!!」
ペッピーの怒鳴り声をナウスは淡々と聞いていた。
「マモナク、カタリナガ見エテキマス。アーゥインノ発着準備完了」
「よし!!今からアーウィンに乗ってカタリナに向かう。」
「よっしゃあ!腕が鳴るぜ!!」
「待ってよ~フォックス!!今すぐそっちに向うから~!!」
スリッピーは慌てて道具箱を部屋に置き、格納庫に向かった。
道具箱の中にはスリッピーがアカデミーにいるときから作ったメカが静かに眠っていった・・・。
それはスリッピーとフォックスとの出会いを結んだメカであり、そしてフォックスがスリッピーと共に遊撃隊を作るきっかけとなったメカでもあった―。
そして、スリッピーはこのメカをいつかフォックスたちの役に立てたらと―そんな夢を見ながら、フォックスの後をついていった。        
                                                                  END

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